日本共産党、実は労働者の党ではなかった。

以前も書いたように、政治の話はあまりし
たくない。でもこの話題もどうしてもシェアしなければならないと思ったので、書いておく。

小泉政権の頃、日本共産党の志位和夫さんは、NHKの日曜討論などの政治討論番組に出演して、「サービス残業禁止法を制定すべきだ」と盛んに発言していた。

当時も今も、サービス残業といわれる違法な賃金不払い残業は、深刻な社会問題だ。

僕は特に共産党支持者ではないけど、志位さんの提案には賛同できると思った。

確かに、日本にはマルクス主義アレルギーのようなものが存在する。だが、過重労働に苦しんでいる労働者に恩恵をもたらすこのような政策は、イデオロギーを超えて支持される可能性があると思っていた。

ところが、いざ選挙になると、日本共産党は、この政策を全面に押し出し戦うことはなかった。

僕にはとても不思議だった。

僕はもともと共産党支持者ではないが、実はかつて共産党の機関紙、赤旗を購読していたことがある。

正確に言うと購読ではなく、たまたま知人のお父さん(この人は熱心な共産党員だ)に頼み込まれて、一時期、配達してもらっていたのだ。今はもう読んでないけどね。


そのようないきさつがあったのもだから、僕の名前が赤旗購読者名簿に残っているのだろう、それ以来、選挙の度に、地元の共産党員の人から、候補者の支援をお願いしますという電話がかかってくるようになった。

いつも同じ人から電話がかかってきていたので、そのうちその運動員の方と世間話をするようになった。

僕はその人に聞いてみた。
「なぜ、志位さんがテレビで盛んに言っていた、サービス残業禁止法を制定するという公約を全面に押し出して選挙しないんですか?今の日本社会には、サービス残業にうんざりしている人が溢れているのだから、票に繋がると思うのだけど

僕のこの質問に対する彼の答えは、驚くべきものだった。 



「御説ごもっともなんですけどね。あの志位さんの発言は支持者に評判が悪いのですよ」

へ、なんで?僕には彼の言っていることの意味がわからなった。が、彼はこう続けた。

「赤旗の購読者を職業別に分類すると、中小零細企業のオーナー経営者がいちばん多いんですよ。だから、テレビで志位さんが、サービス残業禁止法を作ると言うと、そんな法律作られたら、うちの会社は潰れるって、支持者から党本部に抗議が来るんです。それで、志位さんも言わなくなったんです」

僕は、この話を聞いて、口が塞がらなった。というか、顎がはずれそうになった。

共産党は労働者の党ではなかったのか?それとも経営者の党なのか?

僕がそういうと、彼はバツが悪そうだった。

「ウチも組織が大きいからいろいろ大変なんです」とため息をついていた。

というわけで、日本共産党も日本の他の組織と同じく、今自分たちを支持してくれてるフォロワーの顔色をうかがいながら、何とか生き残りたいと思っている、現状維持志向の組織だということがわかった。

この話を聞いて僕はかなりガッカリした。だったら共産党という名前ではなく、中小零細企業経営者党にした方がいいんじゃないかとさえ思った。

現在、共産党は、「ブラックな働き方なくそう」などという曖昧でヘンテコリンなスローガンで選挙を戦っている。

違法な賃金不払い残業は、法的に定義できる。法律の罰則を強化することで、減らすことは可能だ。

しかし、ブラックって具体的にどうやって無くすの?ブラック企業って、法的には定義できないマスコミ用語だからね。

仮に、違法残業がはびこっていても、離職率が低い会社はブラックではないと言うのであれば、それは随分と経営者に都合が良い解釈だし

これでは、日々、違法労働に苦しんでいる働く人たちに向けたメッセージとしては、とても弱い。

彼のいう通りなら、このスローガンは、最大支持者である、オーナー経営者に気をつかったものであり、もはや日本共産党は労働者のことを第一に考える政党とは言えないと思う。

もし、彼らが経営者ではなく、中小企業の労働者のことを第一に考えているなら、「違法労働を根絶しよう!」というスローガンを掲げるはずだ。

以前、立憲民主党について書いた時にも触れたけど、アメリカ人に聞いても、カナダ人に聞いても、ドイツ人に聞いても、日本ほど労働法規がまったくと言っていいほど守られていない、先進民主主義国は存在しない。

日本は、労働法規違反に対する罰則が弱過ぎるのだ。

電通の進入社員がひと月に100時間残業して、自殺した時、電通に科された罰金は20万円。これが現在、労働基準法違反に科される最大の罰則なのだ。何兆円もの売上がある企業に、罰金20万円。

これでは、労働法規を守る真面目な経営者の会社は業績が悪化し、社員にサービス残業をさせまくる倫理観の低い経営者の会社が成長する、ということになってしまう。


違法労働を減らすには、かつて志位さんが言っていたように、強力な法律で取り締まるしかない。
でなければ、過労死はなくならないし、人々の心は醜くなり、鬱も増える一方だ。

共産党までもが、こんな状態では、いつまで経ってもこの日本で、契約に根差した公正な職場環境が実現されることはないだろう。

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